今日、仕事でとあるタワーに上った。
たいして高い立派なタワーでもないのだが、高い場所を苦手とする人が多く、
「高いところ大好き」と言うと驚かれてばかりだった。
小さな頃から高い場所が大好きだった。
小学校低学年の頃によく、家の二階にあるバルコニーから庭に飛び降りたものだ。
きっと爽快だったんだ。爽快が楽しかったんだ。今考えると「危険、やめろ」と言いたいが、
あの頃は何度も飛び降りて楽しみ、着地したとき膝に顎をぶつけてようやく飛び降りるのをやめた。
年齢を重ねても、遊園地の絶叫系の乗り物は大好きで、速いもの、落ちるもの、上がるもの、
全て何度繰り返し乗ってもケラケラ笑っていられる。
こんな私は、中学生の頃からスカイダイビングに憧れていた。
「結婚式では、ウエディングドレスを着てスカイダイビングする」とか、
「20歳の記念にスカイダイビングする」「25歳までにスカイダイビングする」だとか
言い続けてきたけれど、結局一度も挑戦出来ずに今に至る。ただ単に機会が無かったから。
相変わらず高い場所や速い乗り物、勢い良く落ちたり上がったりするものは好き。
だけど、この前「次ハワイに旅行に行くときはスカイダイビングしよう♪」と言いつつ、
心の中では前ほど強い想いが無いことに気がついた。
怖いとか、そんなんじゃないんだけど、万が一のことを考えるようになってしまった。
夢を叶えて、理想の道を歩むことは、もう私のすぐそばにあるから。
スカイダイビングにはインストラクターもいるし、危険性なんてすごく低いと分かっていながら、
夢を叶えて、理想の道を歩むことが目前になった私には、
スカイダイビングを選べないことに気がついたのだ。
つまり、多少のリスクよりも多少の望みを選ぶようになっていた。
私にはもう、何よりも優先しなければならないことが存在するということだ。
そしてその夢と理想の中にあるものは、私の何よりも大切な人々。
多少のリスクも何のその、快感・爽快を希望していた私は、もうどこかへ消えて、
今の私は、着実に歩むべき道があり、少しだけどとてつもなく大事なものがあるのだ。
少し前の会話に出てきた恋人の一言「大人になると守ることを選ぶようになるからね」
そんな言葉を思い出した。
あぁ、私には守りたいものが増えたんだなぁ。
少しだけど、とってもとっても大事で、いつまでも守り続けたいものが。
目まぐるしく過ぎ行く日々の中、焦るばかりの毎日の中、
「私、随分変わったんだな」なんて、今頃になってようやく気が付いた。
タワーの上でのこと。
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